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お問い合せいただきました健康や医療に関するご質問に、院長がお答えいたします。

院長 勝又一臣

●資格・所属学会
医学博士
日本内科学会認定医
日本循環器学会専門医
日本糖尿病学会専門医
認知症サポート医
認定産業医
日本リハビリテーション医学会
●経歴
1966年1月生まれ
1991年3月 岐阜大学医学部卒業
1996年3月 名古屋大学医学部大学院卒業
2000年7月 勝又病院副院長
2014年9月 勝又病院院長

【糖尿病は遺伝するのでしょうか】

質問

祖父と父が糖尿病で、自分も将来、糖尿病になるのではないかと心配しています。
糖尿病は遺伝するのでしょうか?
(35歳男性)

糖尿病には大きく分けて、インスリンという血糖値を下げるホルモンがほとんど分泌できなくなり発症する「1型糖尿病」と、インスリンはある程度分泌されるがその効きが悪くなり発症する「2型糖尿病」に分けられます。

現在日本の糖尿病患者の約95%は2型糖尿病ですが、1型、2型糖尿病のいずれも家族に同じ病気にかかる人が多いことから、古くから遺伝が関与していると考えられていました。その後、2003年にヒト遺伝子が全て解明されると、糖尿病発症に関連した遺伝子の解析がすすみ、現在では1型糖尿では少なくとも15ヶ所、2型糖尿病では10ヶ所前後の遺伝子が糖尿病発症に関連していることが分かっています。しかし今のところ、個々の遺伝子の糖尿病発症における影響は一部の遺伝子を除けばそれほど高くないと考えられています。

また最近の研究で、このように先天的に持っている糖尿病になりやすい遺伝子体質とは別に、過食、運動不足、肥満などの不適切な生活習慣や、ストレス、加齢などの後天的な要因によって遺伝子の働きに変化があらわれ、それが糖尿病などの生活習慣病の発症に関与することがわかってきました。

ヒトの身体には約60兆個の細胞があり、それぞれの細胞が持っている遺伝子は同じですが、細胞は筋肉や神経など、それぞれ違った働きをする細胞に分化します。つまり細胞ごとに必要な遺伝子の働きが違っており、その働きを調節するしくみをエピゲノムといいます。このエピゲノムの異常が糖尿病などの生活習慣病だけでなく、癌、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病といった神経疾患など、さまざまな病気を引き起こすことがわかってきました。こうしたエピゲノム異常に関する研究をエピジェネティックスといい、今後臨床応用が期待される分野です。

このように糖尿病は、複数の遺伝子に加えて、肥満や過食、運動不足といった複数の環境因子がその発症に関与する多因子遺伝性疾患であると考えられています。つまり、家族に糖尿病の人がいても、遺伝的な関与は限定的であり、肥満、過食、運動不足といった不適切な生活習慣を避けることが糖尿病予防の何よりの対策といえるでしょう。

月刊なごやかNo.329掲載(2014年6月発行)

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